場所を選ばず手軽に栄養補給できる便利さから、すっかりおなじみになったサプリメント。しかしその正しい飲み方は案外知られていないのが現状。そこで、初心者向けサプリや、効果的な飲み合わせ、喫煙者が飲んではいけないものなどを、基本的飲み方として知っておきたいものです。

 

・身近となったサプリメント

多忙な私たちにとって、一日に必要な栄養素を食事で十分補うのは難しく、健康を気遣う人々の間で「サプリメント」が特に脚光を浴びている。そもそもサプリメントは「栄養補助食品」であり、日常の食事で不足する栄養成分を補うために摂取される食品です。錠剤・カプセル状・リキッドタイプなどのものを指すわけです。米国では、すでに人々の日常生活に慣れ親しんでいるが、今では日本もすっかりサプリメント大国となりました。
年々、新しい成分や話題の成分もつぎつぎと発売され、その市場規模は莫大なものです。しかし、その一方で、選択方法の誤りで、粗悪な製品を安易に摂取した結果、健康被害に至るケースも珍しくありません。そこで、少し賢くて、少しお得なサプリとの付き合い方を紹介してみましょう。

 

・サプリメントは栄養補給の手助け

まず、注意しておかなければならないのは「サプリメントは薬ではない」ということです。どんなに優れたサプリメントをでも、食事そのものの代わりにはなりません。そして、薬と同じ効能を期待してはいけません。「サプリメントを飲んでいれば大丈夫」ではなく、まず食事を充実させたいです。一日3食きちんと摂って、いろんな食品を食べるように心がけるのが、本来のあり方だということは忘れてはいけません。

そうはいっても、最近では食品自体に含まれる栄養価が少しずつ偏ってきており、生産技術の向上による、季節外れの野菜や果物や冷凍保存されるようになった生鮮食品などがあり、旬のものを新鮮なうちに食べていた時代と違って、私たちは自然の恵みを自然のままの姿で摂ることが難しくなってきました。

そのために、補助的な意味で活用するのがサプリメントの位置づけだと思うのです。うまく利用すれば、近年の食事でまかないきれない栄養素を補うことができると期待しているのです。

 

・サプリメントの飲み方の基本的な考え方について

・水で飲みましょう

β-カロチンやビタミンEなどは牛乳で飲むこととか、ミネラルはオレンジジュースで飲むと、吸収率がアップすると言われていますが、基本的には「コップ1杯程度の水で飲む」が基本原則です。水は胃を刺激して運動を高め、栄養を早く小腸へ移動させる効果があります。それに対するは、お茶やコーヒーはだめで、カフェインやタンニンなどが栄養素とくっついて、吸収が悪くなってしまう事実を認識する必要があります。

・食後30分以内に飲みましょう

食前より食後に飲むほうがおすすめです。食べものと一緒に吸収されるわけなので、格段に効率がアップします。また、空腹時は摂取しない方がよく、胃を荒らしてしまうものもあります。とくに注意書きがなければ、「食後30分以内」が原則と覚えておきましょう。

・病気療養中・薬を服用している方は、医師に相談しましょう

なんらかの病気を抱えている人は、飲む前に医師に相談をしましょう。サプリメントの種類によっては血糖値が変わるなど、体調に影響をあたえるものもあります。また、薬を服用している場合も注意が必要で、一例として、ビタミンKでは、多量摂取すると、血栓症予防薬の効果を低下させることもあるそうです。

・たくさん飲めばよいわけではない

栄養が摂れるからといって、むやみに飲むと逆効果なときもあります。過剰摂取は避けて、ラベルに書かれた用法をきちんと守りましょう。例として、ビタミンAやビタミンDなどは、重大な健康障害があらわれることもあるそうです。

・飲み合わせによる相乗効果を考えましょう

飲みあわせを工夫すれば、相乗効果が期待できる場合があります。例として、ビタミンBの場合は、単体で摂るよりもビタミンB群すべてを一緒に摂取すると、美肌効果や疲労回復、鎮静効果、免疫力アップなどが期待できると言われています。また、鉄分はビタミンCや銅、コバルト、マンガンなどと一緒に摂取すると、酸素不足による疲労や頭痛を、より効果的に防ぐことができるそうです。

・涼しい場所に保管しましょう

保存するときには、密封した状態で、涼しいところへ保管しましょう。高温多湿や直射日光にあたる場所では、品質が変わる可能性が大きいです。また、液状のものなどは冷蔵庫などで保管したほうがよい場合もあります。ラベルの注意書きをよく読んで保管しましょう。

・成分表示を基準にして選定しましょう

いろいろな商品の中からどれを選んでよいのかは、判断に迷うところですが、そんなときはラベルの成分表示を確かめて、内容成分や含有量などで比較できると良いです。また、注意事項もあわせて読むようにしましょう。

・サプリは6歳以上になってから

体が小さな子どもにとっては、大人向けのサプリメントを飲むと過剰摂取になる可能性があります。また、錠剤が喉につまったり、噛み砕くことができない場合もあります。安易に服用は避けて、必要なときには小児科医などに相談するようにしましょう。

・迷ったら、マルチビタミン剤から始める

サプリメントの選び方などが分からなければ、まずはマルチビタミン剤から始めるのがよいでしょう。栄養素は単独で摂っても効果的に働きませんが、相互にはたらくことで、生きてくるわけで、マルチビタミンで基本となるビタミン類をカバーして、トッピングとして他のサプリを選んでいくとよいでしょう。なお、マルチビタミンは、タイムリリース加工されたものなどが、効果があると言われます。

・妊娠中はビタミンAを、喫煙者はβ-カロチンを避けましょう

注意事項として、妊娠初期の段階で、ビタミンAを摂り過ぎると、赤ちゃんに奇形が起こる可能性があるそうですので、妊娠中の摂取には十分気をつけなければいけません。また喫煙者は、β-カロチン摂取によって肺がんリスクが高まる可能性があるので成分表示を確認してサプリメントを選んでください。